第52回全国道場少年剣道大会 (H29.7.25)

 東京は九段下、日本武道館に全国から地方予選を勝ち抜いた精鋭が今年も集まってきました。
夏の恒例の大会、全国道場少年剣道大会が今年も盛大に開催されました。

 道場連盟加盟団体のチームは、この全国大会に出場することが、大きな目標となっています。要成館は、今年もこの日本武道館に帰ってきました。
東京都の予選、上位32チームに出場権が与えられ、この栄えある名誉を胸に、東京都の代表として、思いっきり日頃の稽古の成果を披露してもらいたいものです。

 初戦のお相手は立山剣道学園(富山県)です。

 先鋒はこの人!頼れる切り込み隊長N君、余裕の勝ちを期待していたところ、さすがは相手も全国に来る先鋒。
一進一退、むしろ相手の竹刀さばきの方が巧みで、返し胴に返し面、引き面と勝負強い剣風! 中盤以降はやや押され気味での引き分けでした。

 次鋒はポイントゲッターのNさん、アテ感は良いものの、やや気迫が足りない剣道、しかしここは面を見せての籠手と決め打ち!幸先よく一本を先取、二本目も同じ籠手をとっての二本勝ち。相変わらず気迫はないものの、彼女らしい落ち着いた剣道でした。

 中堅は頼れるチャンピオンのH君、体も大きく、打突も力強い剣道で、ここは一気に勝負を決めて、流れを盤石のものとしたいところ。相手は小柄な女の子。一方的に攻め込み体当たり、内容的にも、いつ一本を取るのかとみていると相手の渾身の出籠手がヒット!
 そのあとも攻めに攻めるも、相手がしっかり守り切り、まさかの一本負け。

 ここで勝ち数は一勝一敗一引き分け、本数で一本リードの接戦の状況。

 副将は抜擢のT君、初めての大きな大会で、まさかの勝負がかかった副将戦!課題の冷静でいられるか?
ここで武道館用の秘策。返し面がさく裂!中村学園の返し面を急遽個別に練習し、使える確信をもって勝負にのぞみ、見事に一本を取って見せました。まさに完璧な一本!さらにはフェイントからの面と続けて二本目も取り、うれしい誤算。この二本勝ちで一気に勝負を決めたのでした。

 大将はS君、個人戦での入賞経験はないものの、要成館の団体戦においては不動の大将。
いきなり相打ち面で一本のられて、苦しい立ち上がり。しかしすぐさま、得意の出鼻面で一本を取り返し勝負となる。終始自分のリズムで、またもや出鼻面を取り、逆転の二本勝ち。

 この勝負を三勝一敗一引き分けで、見事初戦を突破しました。

 二回戦のお相手は、若草スポーツ少年剣道部(北海道)です。

 先鋒は実力者同士、慎重な技の応酬です。緊張感の中、試合時間の2分があっという間に過ぎてしまいました。まずは引き分け。静かな滑り出しです。

 次鋒のNさん、先鋒戦とは打って変わって激しい打撃戦。お互いこの次鋒戦を取った方が有利に進められることが分かっているため、打ちつ打たれつの大接戦!
随所に惜しい面や籠手が当たり、流れはNさん有利。しかしここでも時間切れ。あと一歩の内容に、中堅に勝負を託すのでした。

 中堅は女子との戦い、期待のH君。今日はちょっと動きが硬いか?2分間押しに押す内容に、いつ一本を取るんだ!あぁ~!残念引き分け守りを固くした相手に取り切れない剣道。一つ宿題を持って帰るようです。

 ここまで3引き分け。勝負の均衡はいつ破れるのか? いよいよ勝負は後半戦。

 副将は一回戦二本勝ちのT君。またもや中村学園の返し面が冴えるのか?少し力が入った打突を繰り返し、やはりここは自分が一本と思えば気合も入ります。
一瞬のスキを突かれ籠手を取られます。残り時間も少なく、必死で一本を取り返そうと果敢に打って出ますが、無常の笛。

ここで相手が一勝リードとなり、いよいよ大将戦です。

 逆転を信じ、運命の大将戦です。ここで彼は伝説を残します。なんと隣会場の主審が「止め!」と大きな声で試合を止めたのを、なぜか勘違いし、相手から目を離し、隣会場を見るという行動に、相手大将が見逃すはずもなく、きれいな基本打ちのような面がさく裂、「面!」

えぇ~!何しとんねん!あっち向いてほいか?

 
本人も何が何だかわからずに二本目、相手に合わせて相打ち面、得意の出鼻ではなく相手に二本目を献上。ここで勝負あり。

 
二敗三引き分けで二回戦敗退となりました。

 今回監督に入ったH先生、ありがとうございました。初めての監督が日本武道館で、なかなか上手くいかなかったと思いますが、良い経験となったと思います。選手にどのように声をかけ、送り出し、そして迎えるかに正解はありません。次にまたこの経験を生かしてください。

 選手の皆さん、お疲れさまでした。もっとやれた!と思うと思います。全国から飛行機で、新幹線で、船で、この日本武道館を目指してきた剣士たちと、正々堂々と良い勝負をしたことは、大きな経験となるでしょう。
 「剣道をしていました。」と言うのと「日本武道館で全国大会に出て試合をしました。」というのは雲泥の差です。ましてや一勝をあげるというのは、大きな一歩ではないでしょうか。
 この経験を活かし、さらに目標を掲げて、次の稽古に活かすようにしてください。

 応援の保護者の皆さん、子供たちは確実に成長をしていますね。こうして、目に見える勝利をすることによって、ただ応援に来ているのではない、子供たちの確実な成長を感じることができる幸せを共有出来て、本当に良かったと思います。この一歩が、次の要成館の伝統の一歩につながるのです。

 これからも応援をよろしくお願いします。

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