七段昇段(愛知県名古屋市枇杷島スポーツセンター)

 平成25年5月11日(土)、愛知県名古屋市の枇杷島スポーツセンターにおいて、七段審査が実施され、私も受審し合格しました。

 当日は深夜3時に八王子を出て、厚木から東名高速で約5時間かけて枇杷島に到着しました。走行はあいにくの雨でしたが、何事もなく計画通りに進みました。

 さて、審査は第4会場の6列目、ちょうど気持ちも入りやすい順番に、アップを入念に行い、ジャージを羽織って一汗かいて待機していました。

 ちょうどそこに、第1会場から、神奈川県警の北条先生の審査が始まり、私も普段はあまり他の受審者の審査は見ないのですが、覗きに行くと、さすがは第1会場のトップだけあって素晴らしい動き。
 その動きは稽古が十分に足りている事をアピールすることもないほどの体の切れがあり、なるほど全国レベルの選手はさすがだなぁと見ていると、なんとなく違和感が襲ってきました。
 それは、お相手も同年代の方で、おそらくトップレベルの方なのに、「なぜ北条先生がよく見えるのだろうか?」と言った点です。

 動きを見ているうちに、私と明らかに違う点がいくつか発見できました。それは、打突を受けた後、鍔迫り合いにならないようにサイドステップをして側面に位置して構えるので、鍔ぜりでダレない。
 私は鍔迫り合いから構えなおす際に、ゆっくりとお互いが下がりながら構えなおすが、北条先生は、試合のようにススッと2歩で間合いを切り、相手にスッと半歩詰めて先を取っていました。
 たったこれだけですが、他の受審者と明らかに動きが違うため、キビキビとした印象を与えていました。もちろん打突のスピードや体の送る足さばき等、一流の物を感じましたが、これはちょっとまねできない感じでした。


 そこで、第4会場のおっさん剣士としては、さっそく鍔ぜりからの分かれぎわは、ススッと試合のように機敏に分かれて自分から半歩詰めて位を取り、若々しさをアピール作戦を決行し、稽古たりてまっせ!アピールを展開し、もちろん初太刀と中押しダメ押しの技を的確に命中させて、1回目の審査を終了し、審査しながらも手ごたえを感じていました。
 しかし、過去の審査において、片方良くても次の出来がよくないとA評定での不合格を4回経験済みなので、次の相手の初太刀に最高の面を打ち、その後も手を緩めることもなく次々に技を命中させ、「こりゃ完璧だ!」と思った矢先に、相手の竹刀が面に引っ掛かり、面がずれて顎の部分が鼻の下に来るほど外れてしまって、一瞬タイムをかけて、どうするか迷ったが、そのまま強引に竹刀の柄の中央部分で頭を押さえて強引に顔を入れて戻すとうまく入ったので何事もなく審査を続け、いよいよラストの一本というところで、今度は中結が曲がっているのを発見し、瞬間的にタイムをかけてしまい。集中を切らないように考えながら、開始線に戻って最後の一本を決めて終了しました。

 内容は全く問題なかったのですが、アクシデントが二回も続くとは、初めての経験でどのような影響が出るのか心配でしたが、発表に自分の番号を見つけて、喜ぶまもなく形審査会場に連行されて形審査を実施し、不思議と落ちついてこれを終えて、全員合格との発表にやっと喜びが湧いてくる感じでした。

 ふと横を見ると、北条先生もいらっしゃり、勝手にコピーして勉強させてもらった事に感謝しつつ、さすがは一流の選手は、何か見た人に感動を与えるのだなと感心した次第です。

 今回の昇段に際し、要成館の大人一般の先生方や椚田中剣道部の生徒さん、府中刑務所の剣道部の皆さんとの、日頃からの稽古が合格に結び付いたのだと感じています。
 特別な審査対策などしていませんでしたが、子供たちと、そして皆さんと楽しく稽古を続けてきて、合格へと続いたことを大変うれしく思います。たぶん八段はないと思いますが、今日からまたいつもの稽古に戻って日々を積み上げていきたいと思います。
 今後ともよろしくお願いします。


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