3段昇段おめでとう

 平成18年11月23日(木)立川市泉市民体育館において3段以下審査会がおこなわれた。

 当道場からは,小比企要成館道場時代の最後の弟子である圭くんが,いよいよ3段審査に初挑戦となり,稽古不足の不安の中,例年より受験者が少なめの約60名が実技試験を開始した。

 本人は「普段の稽古が出来ていない中で,3段の審査を受けて落ちやしないか。」等の不安や「昨日は緊張であまり寝れなかった。」等アップ中は自信がないようなことばかり口にしていたが,審査は勝ち負けを争うのでなく,小学校から今までの剣道を審査員に見てもらうつもりでのぞむ事,昨日今日にあわてて稽古してもあまり意味はない事,今までしてきた稽古を披露する場であることをアドバイスすると,いつもの柔らかな表情にもどり集中したアップを始めたのを見て,3段合格を確信しました。

 実技審査の内容は非常に良いものでした。1回目の実技審査は相打ち面・小手面と常に相手の打ちの上をかぶるように打突し,終始自分のリズムでのぞむ事が出来ました。
 2回目の実技審査では,順番待ちをしている時点でなかなかの雰囲気を持った選手が相手だったので苦戦が予想されました。実際に圭くんより技量が1枚上手の相手でしたが,よくしのぎきり3段合格に十分な内容でした。
 ただし,普段試合をしていない選手だからか,あるいは緊張からか?開始線を無視して蹲踞して,主任審査員に注意されたのは,ご愛嬌といったところか。

 中間発表があり,その後の日本剣道形ではあまりこなせてない受験生が目立つ中,さすがの形を披露したのは満点の出来でした。

 その後の合格発表で無事に合格となり,本人ともども喜びを共有し,彼が小学生で小比企の道場に通っていたことが,昨日のことのようによみがえり,月日の流れの速さを感じずにはいられませんでした。
 今回の3段合格は,彼にとっては通過点の一つに過ぎません。しかし,この通過点は非常に意味のあるものです。彼が小学校高学年のとき小比企の道場がつぶれてしまい,その後,由井3小体育館での細々とした活動の中から,現在の横一小体育館での剣道教室としての復活と要成館の歴史を一緒に経験した唯一の存在です。その影には,ご両親のご理解とご協力なくしては,今日の結果は決して訪れることはなかったのだろうと思えるのです。
 そのため,3段まではご両親に感謝し,その心をもって審査にのぞむようにアドバイスしました。

 さて,3段も無事に合格し,今後の剣道人生は圭くん自身が決める必要があります。どうせここまで剣道に携わったらもうやめられないでしょう。たとえ何かの事情で剣道を中断することがあっても,また機会があればもどってくるでしょう。今まではご両親の考えのもと剣道をしていましたが,今後は自分の意思で稽古を続けてください。また,剣道教室の兄貴分として子供たちに慕われてください。

 私は今まで剣道をやめようと思ったことが2回あります。1回目は由井3小での活動が終わったとき。2回目は圭くんがもし3段審査に受からなかったとき。まだまだ,剣道はやめさせてくれそうにありませんね(笑)

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