第70回八王子市民大会(H28.10.9)

 
大会日は、晴天が良いといつも思っていますが。今日は雨が降らないかと前日から雨ごいをしておりました。というのも、運動会の予定が重なり、デビュー戦が見られない方がいらっしゃったからです。また、低学年から活動をしていた要成館の主力選手であったI君のテニスの決勝戦と重なり、おそらく剣道の試合は最後であろうということで、この雨によって剣道に参加できることとなり、まさに恵みの雨となりました

 さて、今年は大会も70回を数え、記念大会となりましたベスト8以上は敢闘賞をいただけるということでしたが、このことが後で思いもよらぬこととなります。まぁ、それは後程。

 まずは小学校1・2年生の部、この大会から要成館での試合デビューとなる基本組、まずは勝敗よりも試合を経験するということが目的です。結果は勝負の世界ですから、なかなか勝つことは難しいですが、立ち合いもよく、たった2分の試合時間の中でも、緊張がほどけて、良い技を出していました。この経験が、次につながることでしょう。先輩方もこうして強くなっていったのです。次は一本を取れるように頑張ってください。

 小学3年生の部は、要成館の将来をしょって立つ選手ぞろいで、優勝の期待がかかるHさんがその実力をいかんなく発揮し、準決勝では取って取られての打ち合いに惜しくも敗れるも、堂々の3位入賞を果たしました。お父さんと取り組んでいた返し胴が大きな武器となり、良い結果へとつながりました。おめでとうございます。
 なお、K君がベスト8となり、敢闘賞をいただきました。日ごろの成果が出た、一生懸命の試合ぶりでした。

 小学4年生の部には参加者なし

 
小学5年生の部では妹の入賞に火が付いたのか、兄の意地か?H君が初戦の強豪を撃破するとあっという間に決勝へ駒を進め、私の知らぬ間に優勝を決めていました。う〜ん!、やるとは思っていましたが、まさか優勝とは、まいりました。不器用でも自分の剣道をやり切ることの大切さ、練習時間が他の道場より少なくても、内容でカバーできることを証明した優勝です。これこそが要成館が目指している結果だと思います。

 6年生の部はなんといってもK君、毎年優勝候補と2回戦で激突する引きの強さ(笑)、もちろん今年も第一シード選手との2回戦です。相手は名の知れた強豪選手、さてK君やいかに?開始早々飛び込み籠手を打たれ一本を取られてしまいます。一拍子の早い籠手!レベルが高いです。しかし、ここからK君の反撃、数発の打ち合いから流れの中で、追い込みの面!意地の一本を取り、楽勝ムードが接戦へ、最後まで互角の試合に素晴らしい試合となりました。結果は負けてしまいましたが、この選手が、以降危なげなく優勝したことを考えれば、土をつけたのはK君のみですので、自信を持ってよいと思います。この次は目に見えるかたちで結果を出してほしいです。

 中学生女子の部では、各自が課題を持った試合内容です。いよいよ実践段階に入り、勝つということにこだわりを持ってほしいと思います。段も取り、試合の経験もしてきましたので、どのように自分を表現するのかを考えてください。

 大学生女子の部では、実力通りの優勝でした。ライバルも欠席の中、余裕の勝利でしたが、どんな大会でも優勝を勝ち取ることは大変なことです。その上でしっかりと勝ち上がることができるのは実力者の証明でもあります。要成館にUさんありを、八王子にしめした優勝でした。

 一般の部は、N先生が若い選手に自分の剣道をしめした試合でした。若手の選手の中に混じり、堂々と渡り合う姿は、感動すら感じます。一本こそ取れなかったものの、惜しい技が何本もあり、自分に対するチャレンジ精神に敬意を表したいと思います。
 S先生も同様に試合に参加し、一生懸命勝つことに向かって試合をしていました。良い試合だったと思います。負けは決して恥ではありません。また機会があれば、積極的に試合に出ることをお勧めします。

 シニアの部では、Y先生がいよいよシニアデビュー、ぶっちぎりでの優勝かと思いきや、まさかの敗退、勝負は難しいですね。K先生もあと一歩での入賞を逃し残念な結果となりました。来年に期待いたします。

 最後に今回、I君のおじいさんにお会いすることができました。お孫さんの応援に日ごろから、駆けつけていただき、短い時間ですが試合前などでお話ができ、いつも心強い激励をいただいてきました。I君が最後の試合をむかえ、残念ですがここで道が分かれます。どうかお体を大切に元気でお過ごしください。武道館での熱い応援、今でも覚えています。今までありがとうございました。

 そうそう!敢闘賞の話。

 表彰式の際、「小学3年生の部、敢闘賞、要成館K君。」と本部のアナウンス紹介。へっ?K?もう帰ったし( ´∀` )。まわりはザワつき、誰も取りに来ない。本部係員が私を見つけると走ってきて「先生、K君がいません。」というので、私「はい、もう帰りましたよ。本人に表彰式の件、伝えてありますか?」、係員「・・・・・え〜!」、私「私がもらっておきます。」
 本人にとって初の入賞が残念ながら受けられないこととなりました。しかし、実はこれには裏話があります。
 当日はおばあさんの告別式で、彼はそのあい間に大会へと参加し、姉のYさんともども「おばあちゃんに今日の試合を報告するんだ。」という強い意志によってベスト8を勝ち取り、その足でまた、告別式に戻りご霊前にご報告したのでした。賞状はその後保護者から経由され、天国でおばあさまもガッツポーズをしているでしょう。姉はいつも声が小さく気迫が足りない剣道を注意されていましたが、胸に秘めた闘志が現れた良い試合をしていました。本人のいない表彰式と記念撮影に、おばあさまの笑顔を感じた一瞬でした。ご冥福をお祈り申し上げます。

 大会に際し、保護者の皆様のご協力をいつもいただきありがとうございます。今年は、優勝者2名、3位1名、敢闘賞1名と結果が出た大会となりました。週一回の練習で試合に勝とうということは、難しいことですが、それでも自分の剣道をして、正しく稽古をした結果がこのようにあらわれ。稽古内容で勝つことを目標に、内容の濃い稽古で対抗することができることを証明した大会となりました。指導者としても、さらに合理的で正しい稽古をしていきたいと思います。

 今大会で見えた課題は、自分の試合が終わったら、まわりの試合に応援に行かず、また、低学年をサポートしない状況が見て取れました。お話に夢中で試合も見ずに時間を過ごしている者が目立ったのが残念です。試合が終わり緊張感が取れてしまうことを考えても、残りの時間をどのように使うのか考えてほしいものです。

 明日は学年別個人錬成大会です。さらなる強豪との試合に向けて、自分らしい剣道をするように心がけてください。

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