第17回西東京女子選手権大会(H29.4.16
 
 個人戦優勝 内田 茜選手と団体戦優勝 八王子剣道愛友会の選手の皆さん


 平成29年4月16日(日)昭島市総合スポーツセンターにおいて、第17回西東京女子剣道選手権・第8回西東京女子剣道優勝大会が開催されました。

 要成館からは、個人戦T部に1名、U部に1名の計2名の選手を派遣しました。
 
 近年の女子剣道界は学校を卒業すると、仕事や家庭におさまり、なかなか剣道の時間を作ることができず、自分の剣道を修業できない状況から脱し、子供が小学校に入学し、剣道を習い、一緒に再開する、いわゆる「リバ剣」と呼ばれる復活組や実業団、一般剣連での活動など、女性が稽古をしている姿を多くみられるようになりました。

 こうした中、学校を卒業しても女子が剣道を続けられる環境が整い、今日、各連盟を代表した女子の剣士たちが一堂に参加した西東京女子剣道選手権大会が盛大に開催されるのでした。
 試合は年齢別に、T部とU部に分かれ、さすがは各連盟の代表選手、どの試合も熱戦が繰り広げられています。

 我が要成館のT部参加選手は内田 茜選手。小学校では市民大会に一度も勝ったこともなく、それでも剣道が好きで、努力で中学では第7ブロック個人優勝、高校では名門強豪私立高校で活躍、現在は大学で学業の都合上剣道部には所属せず、道場で子供たちに指導するかたわら、自身の剣道を修業する文武両道の選手です。

 本人の談では、「当日は決して調子がよくなく、試合運びを慎重に、粘り強く戦うことを念頭に置いて試合をし、結果的に勝ちを積み上げていった優勝だ。」と感じているのだそうです。

 周りを見ると、実業団に所属し活躍している現役の選手や、学生時代にライバルであった選手、どこかで名前を聞いたことがある腕自慢の選手が参加しており、厳しい戦いになることが戦前に予想できたようです。

 昨年の大会で第2位の成績が評価され、今回は第1シード選手で登録されており、今回はまさに昨年の決勝戦での忘れ物を取りに来るリベンジマッチの位置づけとなりました。

 3回戦では八王子剣道連盟の篠選手と一本を取り合い延長での勝利、篠選手の姉とは第7ブロックで常に鎬を削る間柄、本日は同じく第7ブロックで優勝した妹さんとの戦いに、最大の山場を越えて勢いづきました。
 準決勝のお相手も同じく八王子剣道連盟の斎藤選手です。今回の八王子剣道連盟の選手はレベルが高く、これを退けて決勝に進出したことは大きな成果であるといえるでしょう。
 所属が同じ八王子で愛友会の選手と大人の事情とはいえ、八王子剣道連盟の選手が戦う姿は複雑な思いです。バスケット界も連盟問題が終結し、一つとなったのを見て、八王子剣道界には、大きな影響力を持つリーダーが現れないか、新しい風が吹かないかと願う今日この頃です。

 さて、決勝戦は多摩剣連の長門石選手、慎重に試合を運び、延長で籠手の相打ちからの面で勝利し、念願の優勝を決めました。

 試合の決め技は、守りを中心としたディフェンシブな剣道で、トーナメントを勝ち抜くために、慎重で勢いで飛び出さない堅実な剣道を行い。出籠手や返し技が有効に決まり、状況に応じて鋭く飛び込む捨て身の技と、体調がよくないからこその戦いが功を奏したといえる剣道だと思います。
 本来は攻撃的な剣道でイケイケなのですが、今回は状況や体調に左右されず、勝負に徹した剣道をできたという経験が、また一つ本人の課題である、「大人の剣道」へと近づいたのではないかと考えるのです。

 小学生時代に市民大会で一回も勝てなかった少女が、今日大輪の花を咲かせることができました。本人の努力はもちろんのこと、それを支える家族、道場の先生方、剣友等、さまざまな人々が、今日一緒に勝利したと思うのです。
 要成館道場は週一回の稽古です。3回4回と稽古している道場ではありません。しかし、私は確信するに至ったのです。それは、「正しい稽古を実践すること。」稽古回数が少なくとも、正しい稽古を行えば決して稽古は裏切らないということです。

 今回それを、優勝という結果で証明してくれました。

 さあ、要成館の諸君、今の稽古に自信をもって、さらに前に進もうではありませんか!

 先に道を作ったものが目の前にいるのです。その道を踏みしめ、確信をもって進んでいきましょう。自分の花はいつ咲くかはわかりません。しかし、あきらめず、正しい道を進めばよいのです。また違う色の花が咲く瞬間を見てみたいものです。

 椚田中学剣道部の皆さん、週3回の稽古でもしっかり勝ち上がっていけますね。中学から剣道を始めた人がほとんどなのに、君たちも先輩内田 茜選手の後の伝統をしっかりと受け継いで勝利を積み上げていますね。

 要成館そして椚田中学校の活動がますますの発展となるように、また日曜日に楽しく、そして何よりも正しく稽古をしましょう。それこそが我々の最大の武器であり、人生の楽しみですから。


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