西東京剣道大会 R4.11.6

 エスフォルタアリーナ八王子において、西東京剣道大会が開催された。八王子市愛友会の代表として小学生の部団体戦に5名、中学生の部団体戦に4名を選出し、熱戦が繰り広げられました。

 小学生団体戦は2回戦からの出場です。1回戦稲城市剣道連盟との対戦です。今回、監督もA先生とオール要成館での戦いですが、本来大将に入る他道場の選手が、コロナに感染し、急遽出場ができなくなり、4年生のH君が大将に変更となってのチーム編成です。

 2回戦は東久留米剣道連盟との試合、3回戦は青梅市剣道連盟との入賞をかけた試合となりました。

 先鋒はT君です。自分の勝ち方がまだ決まらず。安定して戦うことができない点に不安があります。剣道自体はとても良くなっているのですが、試合の流れに乗れず、自分の形がないので、相手次第の試合展開の印象を持ちます。今大会においても、一本を取って良い機会の打突をしているものの、場外に出されて反則をもらったり、狭い方へ展開して窮屈な試合運びであったり、先に一本とっても自分から仕掛けて取り返されたりといった、ちぐはぐな状況が見られ、安定した内容の試合が見られませんでした。
 技術的には、引き技を打ったら自分の後ろは必ず場外線なので、相手が追撃してきたときには、打突をよけた際に、体当たりを受けるのではなく、右か左に体を捌いて相手を場外線へ押しやり、自分が×にお尻を向けるように工夫すると良いでしょう。打突をよけたあと踏ん張ってしまうので、受け流すことを稽古してみてください。
 青梅戦で打った飛び込み面や返し面、上げ小手、抜き胴など非常に打突の精度が上がっています。抜き胴は前でさばけるようになり、一本を狙って取れる技になっています。面も伸びやかでバネのある良い打ちです。また、小手についても、特に1回戦の試合では良いタイミングで出ていたと思います。
 優勝した青梅の選手に互角の戦いでした。技はそれぞれに完成度が上がってきています。その技をどのようにつなげれば良いのかを考えてみてください。主力に使う技は何か、ポイントを取る技は何か、相手が攻勢に打って出てくるときにどうしのぐのかなど、考えることはいっぱいあります。この課題を超えて整理ができたときに、T君の剣道が一段と光り輝くでしょう。方向性は間違っていません。課題をもって稽古をしてください。自分が望んでいるような活躍が間もなくできると思います。今を大切に稽古に邁進してください。

 次鋒はK君です。最近の剣道の印象は、以前のふんわり勝つような剣道から、早い飛び込み小手や飛び込み面、ポイントを取る抜き面と勝ち方のバリエーションが増えて、団体戦においてはポイントを計算できる選手となっています。今後の課題は、体力的に不利な状況での試合展開と自分より早い技を使う相手に対しての試合運びを考えてみてください。実力を出し安定した試合を行っていますが、自分より強い相手に粘ってワンチャンスをものにして、しのいで勝てれば、剣道の実力が一歩上がります。打たせない防御力を確実にして、一本を取る打突の精度を身に付けて、レベルをもう一段上げてください。

 中堅はN君です。1回戦から安定した剣道でした。今大会では、今まで試合で使っていなかった抜き胴を使って一本を取っていました。稽古時にN先生から抜き胴の稽古をしており、研究しているのを見ていました。現状に満足せずに進化をする姿勢はアスリートとして素晴らしいと思います。今後どのような技が必要となるのか、自分なりに考えて、導いた結果がしっかりと実践の場で発揮されています。速い小手に始まり抜き胴と、さらなる進化を遂げて、いよいよ安定した剣道を発揮するようになっています。
 あとは、青梅戦のように、一本取って引き分けてしまうのではなく、しっかり勝ち切る剣道をしてください。個人戦では負けない剣道が求められます。なんだかんだ言って勝っているのはいつも自分である状況を作っていけるようにしてください。


 副将はT・F君です。4月から面をつけて、各練成会や大会を経験し、今回八王子代表として抜擢されました。今回の選考には八王子市民大会の結果が反映されていないため、次回の選考には2位の選手との代表争いが待ち受けます。 
 試合は、ある意味自分らしいともいえる内容でした。遠間からの面は出鼻の機会をとらえておらず、一方的な打ちかかりで、自分が打突する際には相手が万歳してよけ他状態のため効果的なタイミングで技が出せず、せっかく当たった一本の打突も、残心を決めず流して打ってしまい一本にならず、自分の打った打突が一本なのかそうでないのかの判断がまだできない状態です。
 中段の構えも左足が横を向き撞木足、腰は開き、剣先は上がり、握っている拳は横からと、普段の基本打ちの状況からは想像がつかないくらい崩れてしまっています。「試合は練習のように」と言って、普段の稽古で試合を想定した稽古をしなければ、気合いだけが空回りして、このような結果になります。とはいえ、この試合も、本人にとっては大きな経験となったことでしょう。一勝をあげて喜び、優勝チームとの対戦でも良い飛び込み面が出ていました。今はやった分だけ上手くなります。やらされる稽古から自分から求める稽古に変化し、良いチームメートに恵まれ自分が上達する土壌はそろいました。「ただ求めて稽古するのみです。」


 大将はH君です。本来は調子の悪い選手の交代予定の選手が、コロナに感染してしまった大将の代わりに、4年生で初の八王子選抜が大将と、大きな責任がかかります。
 4年生ながら市民大会では八王子チャンピオンとなり、素早い間合いの作りと伸びやかな打突、一本を取れる抜き技は、実力十分です。会場の審判の旗がからく良い機会をとらえた打突が見られましたが、旗が上がりません。年上で実力が上な相手に、堂々の試合内容でした。自分の剣道をつらぬき渡り合ったことは、自信になったことでしょう。相手は前の試合を見ていて、自分の剣道のタイプや決め技を見られ作戦を練っていました。そのため、なかなか有効な技が出せなくなっていましたが、これからはこのような厳しい戦いが続きます。抜き技だけでなく、返し面や速い小手も稽古では使えています。何よりも攻めて出鼻を打てるように、ますます技を磨いてください。



 中学生団体は、1回戦は武蔵野市剣道連盟との戦い、2回戦は町田市剣道連盟との戦いです。 

 先鋒のK君は、今大会調子が良いようでした。気合い・攻め・守りとバランス良く安定した戦いでした。特に町田戦では、相手も強い選手で勝ち切ることが難しい中、追い込みの面を打ち切り、一本にはならなかったものの、終始試合を支配していました。いつもこのような試合展開ができるように、今日の試合を忘れないようにしてください。アップから試合前の準備等、しっかりとルーティーンとしてできるようにしましょう。


 次鋒はK君です。身体も大きくなり手足も長く今後に期待がされる選手です。現在中段の構えを改造中で、それに伴って打突を中学生仕様にバージョンアップしている最中です。
 打突のタイミングは悪くないのですが、印象としては固い感じです。竹刀がしなやかにしならない振りで、打突後も足が止まり、中途半端なキメとなっています。改善点がいっぱいありますが、上達の課題はすべて一本の線につながっているものです。中段の構えが改善されれば打突に冴えが出て、冴えが出ればしなやかさが出て、あとは出鼻のタイミングで一本を取るだけとなります。「しなやかにしなやかに」そこを意識して稽古してください。


 中堅のI君はアップ時に足を痛めるという最悪なスタートでした。棄権も考えましたが何とか試合をしてくれました。試合内容も相手に打たせない守りは彼の強みであり。強い町田の中堅選手に全く仕事をさせません。 
 課題はやはり一本を取るということですね。あれだけ防御力が強いので、その展開の中から、出小手や返し技等を打てれば一本を取る確率が上がると思います。抜き面は後ろに捌くため、前に出る技の研究が必要でしょう。 

 副将のK君は剣道が落ち着いてきました。無駄なフットワークも見られず、構えも安定しています。走り込んで打つ技はいま一つですが、剣道の形が良くなってきています。ただし、打突のタイミングが単調で、勢いで打つため効果的でないように見えます。我慢して相手の動くところや、攻め込んで相手が動くところに技を出してほしいと思います。また、一本を取り切って自分の勝利でチームを勝たせるようになってほしいと思います。引き分けではダメなチーム状況で、引き分けられたのが勝負に対する理解力が低いと言えます。 

 今回、接待係に務めていただいた3名のお母さん方、本当にありがとうございました。自分の子供の試合を見たいところでしたが、裏方に回っていただき感謝いたします。また、八王子代表チーム初采配のA先生、お疲れ様です。場外に吹っ飛ばされるT君に愛の激励で厳しくもあり、的確な采配をしておりました。家に帰ってからも動画を確認し、次回の稽古に役立てようとしている姿に、現在の要成館の強さを垣間見ました。

 さて、今年も残すところあとわずかです。今年しなければならないことを来年に回さないように、各自課題をもって稽古してください。


 応援お疲れ様でした。小学生・中学生ともにベスト8でした。あと一つ勝ち上がる課題の難しさですね。


次は勝つ!


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