毎日レディース剣道大会(H29.12.10)

 日野市市民の森ふれあいフォールにおいて、第17回毎日レディース剣道大会が行われました。
 
 女子だけの剣道大会で、今回要成館からは初参加です。小学生に先鋒と中堅、中学生を大将する3人制の団体戦です。
先鋒は成長著しい期待のエースNさんです。今日の課題はズバリ「勝つ!」ことです!剣道に対する姿勢も、勝負にこだわる感じも、アスリートとして目覚めた感じがする今日この頃の稽古ぶりに、やってくれそうな期待を自然にかけてしまいます。

 中堅には、N、Aさんを抜擢!試合での活躍もなく、本来なら違う選手を選ぶところ、最近の稽古ぶりは目覚ましく、中学での剣道部の活躍を夢見て、めきめきと頭角を現してきている選手です。大会の代表経験もなく、今回の試合で何か見える風景が変わるかもしれないと期待する選手です。

 大将は不動のUさん。言わずと知れた要成館のポイントゲッター、その戦いぶりに注目が集まります!

 1回戦は埼玉県の曙剣友会Bです。幸先よく先鋒が二本勝ちし安定の剣道を見せてくれました。中堅は全くいいところなくの負けで、大将が一本勝ちし、初戦を突破しました。
 中堅のN.Aさんは団体戦もこのような試合の雰囲気も初めてで、若干委縮した試合内容に、監督からもAコーチからも檄が飛びます。「負けていいとは言わないが、その負けから、次の成功につながる試合をするように!」と指導されます。相手選手は体も小さく、スピードも技も十分対応できる選手でしたが、ずるずると後退し、打ち負けてしまい、内容が全くない試合でした。
 大将は一本勝ちでスロースタートでしたが、これも実力なのか結果は余裕の勝利でした。

 2回戦は千葉県の北習志野剣道教室です。ここでも先鋒が二本勝ちし、中堅につなぎます。中堅のこの試合では、先ほどの試合の反省を受けて、負けてしまったものの、積極的に出鼻面を打突するなど、進歩が見れて、強い相手に手元を浮かされ籠手を痛打されたはしたが、自分から仕掛けて面、相手の籠手にかぶせて面や追い込んでからの面を見せてからの籠手など惜しい打突が見られました。
 時間いっぱいを使い切り一本負けといった内容に、一歩前進と静かにうなずくAコーチ、いや!鬼の監督代行なのでした。

 大将は落ち着いた試合運びで勝利し、立ち合いから気合の良さも際立ち、審判もうなずく役者ぶりに、格の違いを見せることの大切さを、あらためて感じる剣道でした。エンジンもかかってきて、次の試合に期待がかかります。

 3回戦は神奈川県の横浜三ッ境剣友会Aです。前の試合ぶりを観戦した感想では、相手の方がちょっと有利な感想でした。特に中堅の選手はなかなかの気迫で、こちらの大将に似て、なかなかの雰囲気。勝負は先鋒戦で決まる予想となりました。
 先鋒戦は出だしから一進一退。ややNさんが押し気味か?惜しい籠手が数発続き、やや体格を圧倒するパワー系の相手に引けを取らず、スピードで勝負します。Nさんの籠手に旗一本上がりかけるも、稽古着に竹刀が引っ掛かり残心取れず。残念!
 中盤から徐々に相手も面、籠手面と技を繰り出し攻勢をかけます。ここで一瞬のスキをついて担ぎ引き面を打たれ先行されます。残り時間もなく必死で籠手を打突するもガッチリ守られ、惜しくも一本負けとなりました。
 中堅はN.Aさん。圧倒的に相手の実力が上での戦いに、どのように戦うか興味がわきます。立ち上がりの初太刀に、渾身の出鼻面を打ち抜きました。惜しい!これが捨て身の技でしょう。彼女の意地と勝負をあきらめない剣道を、この一本に見せてもらいました。しかし勝負は実力通りの二本負けで、大将戦を待たず敗戦が決定しました。
 さて、消化試合の大将戦。と言わせたいところですが、こちらにも意地があります!
 相手大将もなかなかの試合運びですが、ここは大将が、気合い、技前ともに相手を圧倒。手元が上がったところに籠手を二本決めての二本勝ち!このチームで、もう一試合勝ち上がりたかったものの、実力を出し切った試合内容でした。白旗降参となりました。

 今回、中堅にN,Aさんを入れてどう戦うか?を課題に勝ち上がっていきました。結果はN、Aさんは一本もとれず悔しい敗戦となりましたが、この日の夕稽古に参加するなど、アスリートとしての自覚が出てきたようです。
 負けて悔しいのは誰でも当たり前で、そこから一歩踏み出す勇気を今回の試合から学んだのではないでしょうか。
 お父さんがいつも応援してくれて、誰よりも厳しく見守ってくれています。「勝てないなぁ~。」といつもため息をついておられますが、間もなく彼女の花は咲くでしょう。その日は、もうそこまで来ています。私には見えますよ。中学剣道で堂々と勝ち上がる姿が。

 先鋒のNさんは、声が出ず、才能はあるのに何か不完全燃焼なイメージを与えます。勝っても負けても飄々として、つかみどころのない印象です。しかし、私は最近思うのです。確かに彼女は声を出さないし、気合いが入っていない印象を与えますが、そんな選手が果たして勝てるでしょうか?勝負の世界でまぐれなんかなく、どの勝負も精一杯の試合です。悪く言えば声を出さない、燃えない印象が、よく言えばクールで落ち着いた試合運びに感情を表に出さないといえるのかもしれません。
 指導者がもっとやれる、もっと声が出せると思っていても、彼女は今ある力を精一杯出して戦っているのかもしれません。
 もう一段上の戦いを、彼女自身が求められたときに、それが決して意図したものでなくても、必要に迫られて彼女自身が真の覚醒をするのかもしれません。少なくとも、目の前にその道を歩いてきた選手がいるのですから、彼女にとっては幸せなことです。大きな試練が彼女を変えるかもしれません。

 大将のUさんは実力通りの剣道でした。課題として立ち上がりの試合に硬さが見られるようですが、落ち着いた試合運びと攻撃力で自分のペースを掴んでいってました。出鼻面一辺倒から、上げ籠手や接近戦での体の移動をしない面、流れの中からの籠手面と技のバリエーションも出てきています。何よりも勝ちきる剣道は今後も期待できるでしょう。大将としてのリーダーシップも身に着けて、今後の活躍を期待したいと思います。

 最後に、本日は朝早くから応援をいただきありがとうございます。私が想像した以上に、内容の濃い試合となりました。しかしながら、ここで満足したくはありません。この先を見てみたいと思ってしまう内容でした。もう一段上がった試合を見るには、稽古しかありません。今後もよろしくお願いします。
 鬼監督代行も的確な指示で、私の引退も近いのかと考えさせられる一日でした。


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