新型コロナウィールスによる稽古中止の件


 4月に入り入学式の季節となりました。桜も満開で,この日を楽しみにしていた方々も多いと思います。
要成館は3月から稽古を中止し,4月の情勢を見て,第2週から稽古を再開し,延期となった蒼鷹杯を行う予定でした。

 東京都は先の会見でも外出自粛が発表され,感染者発表も増えるばかりで,非常事態宣言に向けてカウントダウンが始まっている状況を感じます。
今後,学校の休校再延長や政府による移動制限などの対策が成され,今までにない対応が実施されることが予想されます。

 剣道は,「密閉」,「密集」,「密接」が成立するクラスター感染が起きやすい「3蜜」競技といえます。
そのため,一人が無自覚感染者で一緒に稽古をすると,あっという間に感染が拡大し,各家庭に持ち帰ることになります。
 また,情報として,幼児と高齢者が重篤化しやすいことも分かっており,剣道の競技性上,様々な年代が混在した稽古環境を考慮すれば,
稽古は感染を拡大する最もリスクが高い環境となります。

 全剣連や都剣連,道場連盟に限らず,他の競技団体やプロスポーツにおいても,活動を自粛している状況を鑑み,
4月の稽古を中止する判断をしました。
公営の体育館も現在貸し出しをしていない状況で,各道場生の皆さんが自主練をする場所もなくなっています。

 職場に武道場がある私の環境においても,とうとう3日から稽古及び自主練,並びに,すべてのトレーニング室を使用できなくなりました。

 愛知県警では新たに警察官が稽古によって12名のうちに7名の感染が確認され,剣道の稽古の危険性を証明する結果となりました。
感染症状が出ていない状況にあっても,濃厚接触者として隔離され,社会生活に影響が出てしまいます。

 現時点で要成館の稽古再開の時期は,5月連休明けを予定しております。
今後収束に向かうのか,はたまた感染拡大が続くのか,まったく目が離せない状況です。
海外での急速的な感染拡大や死者数は増える一方で,日本だけが減少していくとは考えにくいと思います。

 昼間に公園で遊んでいる子供たちを見て,家にいることのストレスをどのように和らげるか,難しい問題がありますが,
少なくとも,都内の人が集まる施設や場所には出入りしない,手洗い・うがい・消毒の徹底といった,自分ができることをしっかりやることで,
少しでも感染のリスクを減らすように努力しましょう。

 野球の甲子園大会中止,剣道も選抜大会の中止が決定し,柔道では,夏の九州の金鷲旗中止と,もしかすると夏の玉竜旗やインターハイ,全中大会など,
様々な大会が今年は中止となるかもしれません。

 選手が目標にしていた,全国大会やJR東日本ジュニア大会などすべての大会ができなくなることが予想されます。
子供のころから目標にしていた大会に参加できないのは,本当に残念です。昨年の市民大会ですら中止の時の,悔しがる選手の姿が忘れられません。

 一方で,人間の力では逆らえない大きな災害や疫病など,各自がしっかり情報を把握し,対応をしていかなければならないと思います。
今,この困難を乗り越えて,再び稽古を再開できるように,皆さんも健康に注意して,5月までしっかり自主練をしておきましょう。

 今できる稽古,剣道本を読み,YouTubeで剣道の画像を研究し,素振りをしたり体幹トレーニングをしたり,


やれることはいっぱいあります。


要成館 館長より


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