第79回八王子市民スポーツ大会剣道大会 R7.10.12
今年もエスフォルタアリーナ八王子において、八王子市民大会が開催されました。当会所属の道場生は、日ごろから道場連盟の大会を経験し、東京都でチャレンジすることを心掛けて試合経験を積んできました。今回は地元八王子市の大会です。どんな大会でも優勝することは難しく、常にチャレンジャーとして挑み、普段の稽古を試合で出すことを考えて、全力を出し切ってもらいたいと思います。
小学校1、2年生の部は1名御出場です。
参加人員も少なく、トーナメント表も寂しい状況に、八王子の剣道界の将来が危ぶまれるほどの状況を目の当たりにして、複雑な心境です。
さて、試合は、先の練成大会で悔しい延長負けをしたNさんは、今回こそ一本を取ると誓いを立てた参加でした。金曜日の稽古には体調不良によって参加できず。最後の調整ができなかったことが不安材料でした。試合では、それまで稽古でできていた一歩の打突ができなくなり。縁が切れた間合いから走って近づき、竹刀も振れない状況に時間がただ過ぎていきます。相手選手も勝ちたい気が勝り、お互いに走り込んで拳がぶつかってしまう状況が続きます。長い延長の末に面を奪い一本勝ち。内容はともかく、目標の一本は取ることができました。
続く二回戦も同じ内容で試合が進みました。最後は相手に打たれて一本負けに、一歩の打突ができたら、もう一つ上に行けたのではと悔やまれる敗戦となりました。今回、参加者が少なく3位入賞をいただきました。運も持っている入賞となりました。
3年生の部は2名出場です。
E君は、下から攻める小手や思い切りのよい飛び込み面、引き技も打てるので、今回期待した選手の一人です。ただし、試合経験が少ないので、自分を出せるかがカギを握っていると思いました。結果は2本負け、打突は出しているものの、声も出ず、先に掛けず淡々とした試合運びでした。良いものは持っているのでいかに自分を信じて試合をするかということが今後問われると思います。今日の敗戦は自分の剣道を出した負けではないので、今後どのように試合をしなければならないのか自分で考えていかなければなりません。小手は何回も当たっているのに一本にならないのはなぜでしょうか。
Tさんは、今年は優勝を狙っているのが伝わってきます。普段の稽古も十分であり。課題の頭を下げる打ちも修正できているので、あとは自分の剣道を披露するだけです。気合も十分で技も多彩に小手、面、小手面と使い分けます。
負けた試合は相性の問題があります。自分は小手から入っていく試合構成に対し、相手は返し面を得意とした試合展開でした。単純に強い良い打ちをしても、相手選手は返し面にオートマチックに返してきてしまいます。ここは相手選手の剣風を読んで、小手を見せてからの面などの技に変化すれば有効であったのではと思います。
相手選手も立派、自分も正々堂々の試合展開に、負けはしたものの悔しい3位ではありますが、次に期待したい良い内容でした。
小学4年生の部は3名出場です。
H君は、先に行われた道場連盟の学年別大会において東京都でベスト32まで勝ち上がった選手です。今回は八王子市でどんな試合を見せてくれるかきたいしました。
どんな選手も一試合目の入り方や立ち上がりは難しいものです。今回の試合で、その難しさがまともに覆いかぶさったようです。のびのびとした技や、つなぐ連続技は影を潜め、課題である踏み込みと気剣体の一致した打突は最後まで見られませんでした。惜しい打突は何本かありましたが、この決めきれない打突が相手にチャンスをあげる形になりました。もっと上で活躍できる選手です。しなければならないことを見つめて、自分を磨かないと次も負けると思います。自分の心が弱かったということです。普段の稽古が試合に出ます。まずは稽古をする環境を整えてください。才能だけではこのような結果になるでしょう。
K・Kさんはケガの影響はあるものの、普段の稽古からは少しずつ自分の剣道に向き合う姿勢が感じられます。試合も派手さはないものの確実に勝ちを積み上げました。あと一つ勝てば賞状に手が届いたのに、最後の一歩が勝ちきれませんでした。頑張った結果に賞状を持って帰る選手と、あと一本の選手の違いは、たかが一勝の違いではありません。この小さな勝ちに見える差が、実は大きな実力の差であると感じることができれば、普段の稽古に大きな価値を見つけることができるでしょう。あと一歩を勝ちきる力を身につけましょう。
K・Sさんは優勝を目指しての戦いでした。剣道も実力も練習量も足りており、何よりも自分が剣道に対する特別な気持ちを持って普段の稽古に臨んでいます。
一回戦から自分らしい剣道が続きます。特に高尾警察の選手の剣道の良さが目立つ中で、しっかりと勝ちあがったことは地力があることの証明と言えます。最後負けた試合は安易に防御態勢を取ったところを狙われており、返し技一辺倒の展開が、そもそもの攻撃力をなくしてしまい、自分の剣道ができなくなってしまいました。確かに良い返し技を持っていますが、それは先に掛けて打つ技があっての技だと思います。先の技と返し技は表裏一体と考えて良いと思います。自分らしいバランスを考えてみてください。悔しい3位となりました。
4年生の部では2名出場です。
E君は強い相手に自分らしさは出せたかが問われました。やはり強い相手はミスも少ないものです。その一瞬で勝負は決まってしまいますので、自分のすべき剣道を行うのに必要な間合いや打突のタイミングを体に覚え込ませなければなりません。今日の敗戦を機に、稽古に対する取り組み方を考えてみてください。1年あれば追いつけるはずです。
M君は悔しい準優勝となってしまいました。それまでの返し技や抜き技で自分らしい剣道をしていました。無駄打ちも少なく、強い相手も倒して堂々の決勝戦進出であったと思います。決勝の相手は予想通りの選手です。実力があり勝ち方を知っている選手に対して、しのいでしのいで、終了間近に渾身の返し胴は、まさに一本と思いましたが、無情にも旗の判定は割れて相手の面に一本が宣告されました。会場中に響き渡った胴の打突音に、私も勝利を確信した一人でした。まわりの観戦者も、今のは銅ではないかとザワザワとしていましたが見る角度によって印象は違います。審判の判断にはクレームはつけられません。次こそは誰もが納得をする技で優勝を勝ち取ってください。課題は自分から一本を取りに行く打突です。胸を張って良い準優勝でした。
6年生の部は6名出場です。
最激戦区であり、3回戦以降には同門対決となることが予想されます。
Hさんは昨年度2位で今回は第一シードの選手です。普段の稽古も居残りをし、剣道に対して頑張る姿勢が見えるようになってきました。しかし、課題の打突力のなさと声が出ないことが今回も勝敗を分けてしまいました。攻めてからの上げ小手など良い技も出ていましたが、全体として物足りない印象を持ってしまいます。おそらく審判員も同じであったと思います。100点の打突以外は一本になりずらいですね。この一回戦負けは本人の心を折るには十分な負けであったと思います。自分自身の活躍を信じて試合に臨み、良いところなく負けて行く姿を忘れないようにしてください。この雪辱は次の試合でしか晴らすことはできません。自分の進むべき稽古はどのようなものなのか、なりたい自分になるために、どのような稽古が必要なのか自分自身に問うこととなります。
H・Hさんは2回戦が山場となることがわかっていました。実力を出せれば難しい相手ではないものの、この敗戦に勝負の難しさがすべて表されています。一本を取り切る力、常に自分有利に主導権を取る展開、先の技と返し技のバランスを考えて試合を展開しなければなりません。何となくビジョンなしに試合が始まってしまった印象でした。見せ場を作れなかった印象です。
T君は雪辱の大会です。稽古で厳しい状況を理解し、武道館以降の稽古で自分が求める剣道を探って稽古をしてきました。特に一本を取る技の研究を第一に考え、日々の稽古で今日のために磨いてきました。最後は同門対決で競り負けてしまい、入賞まであと一つと悔しくも清々しい敗戦であったと思います。すべきことはした。成すべきことはした。ただ勝敗はあと一つ恵まれなかったですが、ここまでの努力が間違っていなかったことの証明となりました。もっと早くこの稽古を始めていたら結果は違ったものになったかもしれません。勝負に「たら・れば」はありません。この経験を心に刻んでください。
O君は激戦区を勝ち上がり、決勝に進むためには必ず同門対決が待っています。前回は3位となり、最近の武道館や練成大会での充実ぶりは、良い試合が期待できる状態にあります。今までは出端の面だけで勝負をしていましたが、ここにきて返し胴や飛び込み小手と試合に使える技を追加して万全の状態です。一回戦から自分らしい剣道ができており、いよいよ同門対決に臨みます。中盤までは五分の戦いでした。特に返し胴はあと一歩の技でした。出端に面を打てなかったのが後半に流れを持っていかれた敗因ではないかと思います。また、小さい小手が打てるタイミングが2回はありましたが、打たなかったのも敗因と思います。しかし、今できることをしっかりできた試合でした。入賞には至らなかったですが、堂々の二本負けは決勝戦のような緊張感でした。
Tさんは誰よりも今回優勝を意識した選手であると思います。一歩の速い打ちがいよいよ実戦で威力を発揮し始め、自分でも手ごたえを感じる試合であったと思います。特に小比企の選手に打った飛び込み面は理想的な打突でした。決勝戦も素晴らしい戦いでしたが、あと一歩足りなかったのは運なのでしょうか?
それでも誇ってよい準優勝でした。
K君優勝おめでとう。課題の、歩く癖、打突の際に助走をする癖、下の小手を狙いに行く癖、自分から先に打突をせず、安易に返し技に頼る癖など様々な欠点を日々の稽古に落とし込んで今日の栄冠を勝ち取りました。一回戦からどの試合をとっても自分らしい良い剣道でした。特にO君との試合や小比企のM君との試合を勝ちぬいて決勝に上がったことは実力で勝ち切った証であると思います。決勝も絶好調のTさんを出端面一本で仕留めて素晴らしい勝ち方でした。努力と結果は気まぐれですが、今回は裏切らなかったようですね。素晴らしい試合でした。
中学女子は2名の出場です。
Iさんは上位を期待しましたが、実力者との試合に競り負け、この負けは自分自身に痛いと思います。見せ場もなく試合展開に変化もなく、感覚的に打突を繰り返して突破口が見当たりません。2分をあっという間に使い切り、見せ場のない敗戦となりました。ここからどのようにして這い上がるのか、自分が問われる敗戦となりました。
Aさんはやはり良い打ちと悪い打ちの理解がまだできていない印象です。稽古では非常に良い形になってきています。その形で試合ができるようにするのみです。結果が出るには、あと少しのところまで来ています。質の高い技の研究を続けてください。
中学男子は5名の出場です。
E君は伸びやかな面が打てるようになってきました。練成大会での敗戦を受けて、自分から打って出ることの難しさを感じたと思います。今回自分から打って出ての面2本勝ちに、課題の克服を見ました。その後も自分らしい剣道ができていました。ここまでくれば、後は一つでも多くの技を取得することとなります。常に研究して新しい技の取得に励んでください。
H・K君は本来の持っているスピード感と躍動感は戻りつつあります。ただし中学生はそれだけでは通用しません。打突前の作りを考えて技の選択をしなければいけません。勢いだけで打てる相手はレベルが低いのです。現に勝てない相手は地力のある選手だと思います。自分より強い相手にどう勝っていくかを考えて技を作っていかなければならないと思います。
S君は強い相手に一本を先取するなど、そのセンスは素晴らしいものです。剣道を続けてくれればおそらく今日の一番は君であったかもしれません。中学から剣道と距離を置き稽古ができない中で試合に参加し、自分の剣道の持っている良さが分かったと思います。まあ、今後も楽しく剣道をして行けたらよいですね。しかし試合内容が良ければ良いほど、残念に感じる試合でした。
T・F君は優勝を期待した選手です。けがをして稽古が十分ではないものの、中体連の大会では結果を出しています。今回の大会ではいくつか目につくことがありましたので、検討してみてください。最近剣道の試合に慣れてきたのか、本来持っている自分の良さである打ち切りの強い技が少なくなってきています。腕だけでちょんちょんといなしながらポンと打突する技はあまり自分の剣風にあっているようには感じません。また、試合前に談笑しているのも集中を維持するのが難しいように感じます。確かに極度の集中やギスギスした雰囲気はどうかと思いますが、少なくとも抜けている印象を持たれるのはどうかと思います。そんなに切り替えが上手な選手には思えないのですが。試合内容自体は、普通であったと思います。競り負けてしまい入賞を逃したことは反省材料ですが、強い相手に勝つことも考えなければなりません。
T・H君は自分の存在を示す大会となりました。誰よりも残って稽古し、誰よりも勝ちに渇望し、今日この日を迎えたと思います。自分が自分であるための存在価値は、勝って示さなければ誰も振り向いてくれないことは自分が一番知っているはずです。速い面、手元を動かせての小手、返し胴と自分の剣道ができていました。3位は立派ですが、もう一つ上のステージで戦えるように努力を継続してください。
N君は優勝を目指しての試合となりました。一人孤高の剣道で格の違いを見せつける内容であったと思います。準決勝では力及ばす一本負けとなり、3位となりましたが、この敗戦は痛い敗戦です。この試合は、やや竹刀を大振りしたように感じます。最短ルートを通って打突部位を捉えるようにしなければなりません。優勝は来年にとっておきましょう。ただし、負ける時はいつも同じパターンです。より稽古で意識付けが必要です。
高校女子は2名出場です。
Tさん少し良い剣道に変わりつつありますね。中間間合いから下がらなくなったのは大きな勝因でしょう。負けた試合も安定した試合展開でした。強いて言えば間合いの出入りと打突のタイミングに注意して一撃必殺の技を持ちたいですね。Tさんと言えばこれという技を持ちたいですね。120点の技が欲しいですね。
Iさん優勝おめでとう。動画ですべて確認しました。相手の打ちを余して面に乗る技は今までにない後打ちの良い技でした。また、出端の打突もキレが増したように感じます。強豪の小比企のMさんや決勝のSさんなど強い相手にも勝ちきったことは、自信となることでしょう。今日はスーパーマンの日だということではないことを次回の試合で証明してください。おめでとうございました。
高校男子は1名出場です。
データがないので省略します。
大学生以上は省略します。お疲れさまでした。
今回の結果は、
高校女子の部・・・優勝
中学生男子の部・・・3位
6年生の部・・・優勝 準優勝
5年生の部・・・準優勝
4年生の部・・・3位
3年生の部・・・3位
1・2年生の部・・・3位
でした。
トーナメント表を見ると、ここ数年の試合参加人数の低下が著しく、目に見えて少なくなっています。昔は八王子市民体育館にあふれるほどの選手が開会式に並んでいましたが、今年はエスフォルタアリーナ八王子のメイン会場での大会であることを考慮しても、スカスカの開会式であったと感じます。特に低学年の部における参加者の少なさは、今後の八王子市の剣道界の発展に直結する問題であると考えます。少子化の波を受けて子供の絶対数が少ないこともありますが、メジャースポーツでさえ活動の維持が難しくなっていく中で、マイナースポーツに分類される剣道を子供たちが選んでいくのか、今の状況が表しているのではないでしょうか。また、中学部活動の地域移行の問題と八王子剣道界を取り巻く環境は大きな転換期を向かえています。八王子市の剣道界を変える力はありませんが、自分の足元を見つめた活動を今後も地道にしていく必要性を感じた大会でした。要成館も2年後には活動する道場生が半分になることが予想されます。活動維持自体が難しい時代へなっていきます。
さて、要成館の試合は、全体としてベスト8において同門対決も多くあり、それぞれが結果には現れない良い試合をしている印象でした。特に6年生は小学校最後の市民大会という位置づけの大会となり、気迫みなぎる試合を多く見ることができました。
それぞれが試合に向き合い大きな成長をした一日であったと思います。上手にできたこと、できなかったこと。今感じていることを次の稽古に宿題として持って帰ってきてください。
保護者の皆さん、本日も朝早くから応援ありがとうございました。また、審判員として大会の運営に尽力していただいた先生方、お疲れさまでした。引率補助のN先生ありがとうございました。
次は6年生の引退試合である戸塚大会です。