第53回東京都道場少年剣道練成大会(兼東京都予選)R6.4.28
飛田給にある、「武蔵野の森総合スポーツプラザ」において、令和6年度の練成大会が、いよいよ開催されました。
要成館からは、団体戦は、中学性の部に3チーム、小学生高学年を3チーム、小学校低学年を1チームエントリーして試合に臨みます。
なお、本日の試合は、夏に行われる日本武道館の全国大会東京都予選会を兼ねており、負けられない試合となっています。選手も一層の気合がみなぎっているようです。
大会は個人戦から始まりました。中学生男子4名、中学生女子3名、小学生男子4名、小学生女子4名の合計15名のエントリーです。
個人戦は、各道場の代表選手が出場していることもあり、一進一退の攻防で、思うように勝率が伸びません。試合時間も2分という短い時間で、延長後の判定試合に今回の試合の難しさが出ました。
今回期待の選手は、昨年度に個人で勝ち上がった、6年生男子のH君と5年生女子のTさんです。また、6年生のI・Sさんと中学生女子のNさんやI・Kさんに、注目しました。
小学5年女子のTさんですが、昨年後半から、やや方向性がぶれて思うような剣道ができていない印象でした。試合結果も思うように出ず、悔しい日々を送っていましたが、地道に稽古を積み上げ、最近は調子を戻してきています。本人もおそらくベスト16以上を目指して、今大会に臨んだのではないかと思います。
トーナメントも順調に勝ち上がり目標まで、あと一歩の結果でしたが、しっかり自分の剣道は出したようです。しかし、課題も浮き彫りになっています。右手の握りがグー握りで竹刀を振ると剣先が降りてこず切り手が使えないことが問題です。打突の機会や間合いは悪くないので当たった技をしっかり一本にできるように、正しい刃筋で、しなやかに叩けるようにしてほしいです。素振りや基本の打込みの際に、意識して練習してみてください。今回も、相手が強くて負けたのではなく、自分が打ち損じての負けだと思います。自分の打突スキルを上げることが、直接的に実力を上げることにつながり勝ちにつながると思います。
小学6年女子のI・Sさんは、八王子市内の大会や練成会などで最近良い結果が出ている選手です。今回は東京都で、レベルの高い選手に対して、どのように戦っていくのか注目しました。
しかし、内容はあまり良い状況ではありませんでした。伸びやかな瞬発系の剣道の剣風なのに、間合いでにらみ合いをしてしまい、自分から攻撃のきっかけを作ることができなくなっています。結果として足は前後に動いてはいるものの、単純にリズムを取っているにすぎず、効果的な攻めや崩しになっていません。その結果、相手が打ってくるところに自分の打突を合わせることとなり、相打ち相打ちの繰り返しと、完全防御の繰り返しとなってしまい流れの中で打突がなく。単純な技の攻防が続いてしまいました。そのため、自分がやろうとイメージしていた内容の試合にはならなくなってしまいました。
打突のスピードやバネは相手より勝るものを持っているので、打つ前の状態を課題に稽古をしてください。
小学5年男子のT・H君は、いよいよ本格的な練成大会個人戦デビューです。前回の春日部練成会から、急激に実力が上がってきている感じですので、今回それがどのようにつながってくるのか注目です。
体は大きくないですが、相手の圧力に負けることもなくなり、終始落ち着いた試合展開に見えました。まだ課題である、遠間からの一歩の打突はできていませんが、価値ある個人戦一勝であったと思います。今回の経験から、自分はできると確信を持った内容であったと思います。
4年生男子のM・T君は、どうしても体の大きな選手に真っ向勝負となってしまいます。間合いを遠くし、自分から機会を作る状態を作らなければ、打突の機会を相手に与えてしまうため、津波のような相手の打突に飲み込まれてしまいます。また、胴は前でさばけていませんので、狙いは良かったですが一本とはなりません。出小手に良いものがあるので、相打ちではなく、相手の打突の起こりばなに打てるように、攻めのタイミングを工夫してみてください。また、相手の打突を受けた際に、体を捌かないので、まともに体当たりを受けてしまいます。避けたら捌くを癖にして、その後にサイド攻撃へつなげるような剣道を考えてみてください。
小学5年生男子のK君は、課題がはっきり見えたと思います。竹刀を立ててしまう右手の振り被りや体重が移動しない飛び込み技、攻めのスピード感のなさが技術的に見てとれました。基本に戻り、打突のスピード感と担ぎ技に頼らない剣道を考えてみてほしいです。気持ちはある選手なので、一本を取るパターンを作れれば、結果はつい来ると思います。
中学女子のNさんは、今年中学3年生となり、いよいよ勝負の年を迎えました。基本の技を一生懸命打つ試合内容から、相手との間合いの連動の中で、自分有利な間合いを作り、攻めや崩しを有効に使って、正しいタイミングで打突をすることが課題です。
1回戦は飛び込み小手の間合いが、やや近いものの、引き足をあまり使わない良い攻めの内容であったと思います。2本目の小手の取り方も素晴らしかったです。
2回戦は東松館の選手との対戦、映像がなく評価できませんが、強い相手との試合がこれから必ずあると思います。勝ち上がれば上がるほど、相手は強敵になっていきます。自分もしっかりそこを意識して、自力の底上げに努めてください。自信をもって今後の試合に臨めると思います。確信を得た試合になったと思います。残り3か月を駆け抜けてほしいと思います。
中学3年生女子のI・Kさんは、自分の形で勝負ができていました。特に団体戦における対金龍館戦において、取られた相打ち面、取った飛び込み面ともに良い機会をとらえていました。課題としては、小手がしっかり打ち切っているのに、打突を外してしまって確実性がないことです。もし、小手技が一本になっていれば楽に試合が展開できていたでしょう。小手技に対して相手選手が反応できていないのに、打ち損じて一本になっていないので、基本練習の中で、実戦を想定して打ち込みをするようにしてください。
中学1年男子のN君は、試合用の竹刀の準備ができていないのは問題です。不慣れなバランスの竹刀ではベストパフォーマンスはできません。試合に臨むにあたって、準備も含まれます。教訓になりましたね。
中学1年男子T・F君は、勝ちパターンを作りましょう。相手の動きに合わせて打っているので、自分がせめて崩すということを意識してほしいです。また、先にかけて打突することも大切ですが、返し技や応じ技もそろそろ考えましょう。そもそも、持っている技は多彩ですので、実戦で使えるように稽古してください。逆胴は当たらなかったものの、良いタイミングで出していました。あとは、体が浮いて右足が上がってしまうので、重心を落とし踏み込み足を上ではなく前に出すように工夫してみてください。
今回の個人戦では、小学生6年生男子のH君が注目を集めました。八王子市では2年連続の個人チャンピオンですが、この東京都で強敵に対してどのように戦っていくのか楽しみです。
小手をやや担ぎ身に打つときに空振りすると、剣先が流れるのが唯一気になる点ですが、終始試合をコントロールして危なげない展開です。目標であったベスト8まで目前となりました。
相手は強豪東松館道場の大将です。東京都チャンピオンであり、会場の誰もが勝ちを予想していません。それは審判員も同じです。しっかり自分が対抗できることを見せないと、自分の打突を見逃されてしまうことはよくあります。予想していない方が一本性の打突をしても、見逃してしまうのです。今回も相手の攻めを我慢してしのぎ続け、終盤に面を合わせて一本に見えましたが、この一本の判定を飲まれてしまいました。延長戦もしのぎ続け、判定となり、相手に旗3本で悔しい敗退となりました。
自分より実力が勝る相手に対して、しっかり守りを固め、チャンスを待つ戦い方は、教えていなくてもH君ぐらいになればできるのだと改めて関心をしました。流れは相手側にあり、当然審判員もそれがわかっているので、突然の反撃に一本の判定を飲むことは珍しくありません。そのため、飲まれないように、その反撃の一本を120パーセントの魂を込めて打ち切らなければならないのです。
2分の試合時間と延長戦の中で、今回巡ってきたチャンスはこの1回でした。そのチャンスをしっかりとらえたものの、審判に取ってもらえなかったことに大きな反省点があります。取ってもらえるように気合と残心を作らなければなりません。勝った試合内容で判定負け、さらに相手選手が個人戦優勝となれば、悔しさは2倍以上でしょう。この一本を取るために、何千回、何万回と基本を繰り返すのです。自分がそこで輝きたいのであれば、どうすればよいのか、問われる試合となりました。しかし、自分が東京都で上位に位置していることが分かったと思います。ここからさらに自分を磨いて、次の機会に備えてください。逃がした魚は大きいですが、あれがあったから今の成功があると感じられるような経験にしてほしいと思います。
団体戦においては、小学生、中学生のそれぞれが今の剣道を出した状況であったと思います。そんな中で、小学生低学年チームは、今回初めて本格的に練成大会に参戦しました。結果は自分の剣道が全くできなかった内容でしたが、T・RさんもK・Kさんも大きな経験をしたと思います。何が足りなかったのか、どうしたらよかったのかをしっかり考えて、次の機会に備えてください。
H・K君は、試合前は気合が入らないような印象でしたが、しっかりと結果を出してくれました。技術的には振り被りすぎないことと、走りこんで打たないことが挙げられます。稽古の出席率(特練)が気になりますが、今後に期待しています。
どのチームも3回戦ぐらいの目標は持っていたと思います。どのチームも印象としては、相手が圧倒的に強くて手も足も出ないという感じではありませんでした。どちらかというと、押しているのはうちの方で、一本にならないのも避けられているというよりかは、打ち損じているといった印象です。
ここに各選手の共通した課題を感じます。限られた時間の中から、要成館らしい剣道をするために、各自が目的意識をもって少ない稽古に今後は臨んでほしいと思います。
最後に、本日も朝早くから保護者の皆さんお疲れ様でした。子供たちの成長を感じられる帰会であったと思います。負けから得る課題を宿題として、しっかりと捉えて、次の稽古に繋げることが一番の成長になると思います。ご家庭でも、今日の剣道の話で楽しく議論してください。負けたい選手なんかはいないので、選手の頑張りを褒めてあげてほしいと思います。
次の稽古でまた頑張っていきたいと思います。
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