13回蒼鷹杯錬成剣道大会 R5.3.19

 コロナ感染症も下火となり、社会では、マスク着用の義務化も緩和されて、平穏を取り戻しつつある中で、いよいよ中止にしていた蒼鷹杯錬成剣道大会が復活しました。

 蒼鷹杯とは、当初は試合経験の少ない我が道場が、少しでも試合慣れできるように、また、保護者の方々が試合を運営してもらって、大会の進行や係員及び審判等を実際に経験することによって、剣道の試合を理解してもらうことを目的として始めた要成館内での大会です。

 最近は、各種練成会や大会に積極的に参加し、試合慣れした選手が多くなってきましたし、保護者の皆さんも大会慣れして当初の目的は必要なくなりましたが、一年に一回、活動している道場生が集う大切な大会となっています。

 さて、今回は3年ぶりとなる開催となり、小学生の中にはこの大会自体を経験していない者もいて、新たに大会を開催するような状況となりました。役員も名誉保護者会長であるM氏や保護者会幹事の皆さんも入れ替わり、場所も急遽横山中学校武道場で開催となりました。

 通常であれば、2会場で進行して進行するところ、会場の都合もあり、1会場での進行となりました。結果としてすべての試合を終了するのに3時間掛かりましたが、どのクラスも見ごたえがあり、成長が感じられる内容でした。

 なお、クラスは中学生の部、小学生をABCと3部門に分けて、全4部門で実施し、審判員に4段以上の先生方で構成し、会場係は中学3年生以上の道場生によって進行をしました。

道場北側にパイプ椅子を配置し、保護者用観客席を作り選手が西側から南側に取り巻く状態で待機し熱戦を観戦しました。

 全員が試合に拍手し、声援が自然に起こる状態で、あっという間に時間が経過して、良い大会であったと思います。所属の選手は、八王子市では優勝か上位入賞の選手が多いので、クラスによっては非常にレベルの高い内容の試合が多くみられて、白熱した展開になり、見ごたえが十分な試合が続きました。

 試合結果は、小学生ABCクラスとも実力者が優勝したものの、Aクラスでは、4年生の部で八王子大会優勝者のH君が5年生相手に勝ち上がるなど見ごたえがある展開を見せ、Bクラスでは、八王子大会の決勝戦が再現され、準優勝であったHさんがリベンジを果たしての優勝を飾りました。CクラスはKさんが圧倒的な剣道を見せ優勝しました。

 印象的な試合は、CクラスのH君で最後まで戦い抜き、しっかり声も出して、今後に期待できる内容の試合を見せてくれました。M君もフットワークよく、打突の機会をとらえた良い試合内容でした。T君は試合経験が少ないので学年を落としてのエントリーでしたが、安定した剣道で基本がしっかり身についています。今後に期待したいと思います。

 Bクラスでは、八王子大会1・2・3位に交じりEさんが頑張りました。試合経験が少ない中で、できることをしていました。誰よりも声を出し戦う姿は、非常に立派に見えました。しかし、敗戦後の観戦態度まで気を配れるようになれば、さらに立派と言えます。悔しさは次の価値につなげる種にしましょう。

 Aクラスでは3位に入賞のT君が自分らしい試合をして、敗者復活戦から勝ち上がりました。打突後の残心が良く審判も味方につけて得意の伸びやかな出ばな面が決まっての勝利でした。

 S君も得意の出ばな面で試合を構成し、課題であった返し胴を決めるなど安定した試合運びでした。

 T君は、フットワークを工夫して一拍子の技を繰り出し、勝ちに恵まれなかったものの、剣道に対する研究心や勝利への渇望を誰よりも感じる試合を見せてくれました。下を向く必要はありません。その道で進んでください。

 Iさんは今回一皮むけた印象です。元々速い出ばな面を得意としながら、最近では余しての面など、渋い技を打つようになり、出小手もそろそろ試合で使える段階に来ていましたが、まさかの抜き胴が実戦配備となり迫力が出てきました。あの打ち方はM先生の打ち方に似ていますが、そうゆうことですかね?返し面も打てるので上と下を仕え分けると、より効果的です。今大会は躍動していましたね。

 中学生では、I君はスピードや技が一枚上であったように思います。ただし、欠点も多く課題が浮き彫りとなりました。残心の作りの悪さや気合の悪さが目立ちます。打突後に頭を下げて屈みこむ悪い癖が出ており修正が必要です。

 Y君は大きな面と速い小さな面を使い分けて、出小手も効果的に当てていました。残念なのは足を開いて前かがみになり、構えも半身ということです。構えを整えればもっと見栄えのする剣道となることでしょう。

 H君はバランスよく試合ができるようになりました。あとは力強く打ち、打突の機会を作るということが課題となります。

 T君はスピード感を出し、自分らしい剣道をできるようになってきました。あと少し打突のバランスを整えられれば良いと思います。

 中学生で一番の剣道は、Hさんでしょう。打突のタイミングが抜群によく、しなやかなしなりで面を打ち、独特の間から小手を打ち、来る相手には抜き胴と内容の濃い剣道を見せてくれました。あのぐらいの内容で試合ができるのならば、中体連の個人戦で上位を狙ってほしいと思います。自分の限界に挑戦してほしいものです。

 Tさん、だいぶ良くなっていますよ。フットワークを忘れずに、守りと攻めのバランスを考えて、技が単発にならないように繋げていきましょう。一発の破壊力は誰よりもありますから、一つ一つの技は一番洗練されています。どの技も素晴らしいですが、まとめるとハーモニーが奏でられなくなります。自分のイメージに近い選手を探して参考にしてみることをお勧めします。


 最後に、審判をしてくれた先生方、お疲れさまでした。誤審や逆旗はありませんでしたが、一本の見落としは、いくつかあったように思います。その一本で勝敗が決することもあり、一本の見極めは本当に難しいと思います。審判は批判されても褒められることはありません。しかし、5段以上となれば必ず審判をする機会があります。

 正しい審判所作を身に着け、ルールに精通し、試合展開を予想してポジショニングしなければなりません。何度も経験して一人前の審判にならなければなりません。審判を積極的に行えるように審判規則等を確認しておいてください。

 子供たちの成長を感じられる、素晴らしい大会となりました。皆さん半日お疲れさまでした。

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