第61回八王子市民大会

 平成19年10月7日(日)青空の下、八王子市民大会が開催されました。

 今年の開会式も、年々子供の参加者が少なくなっているのを目の当たりにし、隣で整列していた審判の先生と「八王子の剣道の将来はこれで大丈夫なのだろうか。」と思わず危機感を感じてしまいました。中学に入学してから剣道部に入部する子供の数は少なく、逆に他のクラブに剣道をやめて入部する子供の数を考えると、今日この開会式に出席している子供の数は、上に持ち上がるとさらに減ってしまう現実に直面しており、根本的な対応をしなければいけない時期にきてしまっているのではないかと感じざるを得ないのです。

 また、試合内容も、毎年審判員として関わっている立場からすると、レベルが非常に低くなってきているようです。 それは「子供なのに生意気な技」を使う子があまり見られなくなったことに感じられます。思わず「ホォー!」とため息を漏らすほどの小憎らしい剣道をする子供の姿が年々見られなくなってきました。ちょっと前なら各会場に2〜3人の上手な子供が目を引いたものですが、今年はあまりそのような感情が湧きあがりませんでした。確かに上位に進出した子供は上手なのですが、大きな剣道をする子供はいないように感じました。

 さて、 この大会の我が要成館剣道教室における位置づけは、

@基本組の初めての試合参加(試合の場に慣れる)
A昨年の成績を超える(自分への挑戦)
BS先生4連覇?の阻止!

が課題となっていました。

 特に基本組の試合では、各会場に保護者会の方々が世話係として配置されて、子供たちの補助をし、また、上級生が下級生の世話を積極的に行う姿が見てとれました。
 初試合の基本組の結果は、予想を大きく裏切り、なんと初勝利を手にする者もおり、その結果にビックリしました。そもそも今回の参加は「場慣れする。」ことを最大の目的にし、着装・立会い・構え・気合では絶対に負けないことを目標に、勝負にはこだわっていませんでした。こうした中で、当初の目的はもちろん、勝ちのおまけまで持ってかえるとは正直驚きです。何人かは、まだ試合に出るレベルにはないものの、その堂々とした立会いと気合を見て、子供たちの明るい笑顔と感想を聞いて、出場させて正解であったと安堵しました。

 一方、上級生たちの戦いぶりどうだったでしょうか? ここにたちふさがったのが「ベスト8の壁」でした。(ベスト4に残って3位の賞状をもらうのとでは内容と自信に大きな差がでるのですが・・・)
 内容も良く奮闘をしていましたが、最後にもうひと壁が破れません。もちろん結果は残念なものですが、悔しいのは本人であろうと思いますので、今後どのようにしたら壁を敗れるのか?感じたことを稽古でいかしてもらいたいと思います。

 中学生では学校で剣道部に所属している者とそうでない者の結果が、はっきりとあらわれた内容となりました。中学生になって新たな環境に進み、他のクラブに入り、やや剣道の稽古から離れた子供は、それまでの試合運びがまったく通用しなくなっていることに驚いたことでしょう。剣道部に入って稽古を継続し、道場でも稽古をしている子供とのスピード・パワー・稽古量や経験による進歩はめざましく、何よりも気魄が違うので、それまで「そこそこ私はやれる。」と感じてきた子供たちの何人かは、この結果をどのように受け入れるのでしょうか。結果として、さらに稽古から遠ざかるのか、新たなアプローチ方法を見つけるのか、彼らの今後に注目したいと思います。

 一般女子は2名の参加、ともに活躍が期待される先生方でした。初参加のM先生は久しぶりの試合で気合が入っていました。1回戦を勝ち上がり、去年優勝の上段剣士と2回戦で対戦し、かなりねばって戦いましたが相手の攻めが一枚上でした。感想を聞くと「くやしい〜!来年も絶対出たい!」と早くも来年のリベンジを誓い、さわやかな笑顔を見せてくれました。
 もう一人の3位入賞の経験を持つT先生は、ベテランらしい味のある戦いぶりで順調に勝ちあがったものの、最後は部位をとらえていない籠手を一本にとられ、ここでもベスト8の壁に跳ね返されたのでした。「試合にでるのは、これで最後かなぁ〜あっはははは!」とくやしさの中にも晴れやかな笑い声は、きっと来年も出場することを確信しました!

 さて、問題はS先生の出場するシニアの部です。毎年決勝の舞台に立ち、毎年違う相手に優勝をプレゼントする準優勝を3連覇し、今年こそシルバーメダルコレクター脱却を誓う我等S先生は、今年もシニアとは思えないトリッキーな動きを(捌き)をみせ、対戦相手を秒殺し、いよいよ決勝の舞台に立ち上がりました。お互いきめてなく延長戦へ!お相手はここでなんと八相の構え、「えぇ〜」と思ったのは私だけではなく会場も思わずざわめきの声、実戦で八相の構えを見るのは、長い剣道人生の中でも初めてのこと!おいおい八相って!ここでS先生の渾身の籠手が決まったと本人も誰もが思った瞬間3本の旗はピクリとも動かず、直後に後打ちの面が一閃、これに旗3本「あぁ〜」と言う悲鳴と相手応援団の「よ〜し!」と言う歓声に包まれながら、呆然と審判を見回す姿をみて、今回もまた勝利の女神は微笑まなかったのだと現実にかえり、また来年のチャレンジを楽しみにして苦笑い(大爆笑)している自分は何て悪魔なのだろうと思うとともに、八相の構えってえのは、こりゃまたビックリこいた、決勝の場でだすんだからちゃんと普段から稽古してたんだろなぁ〜と八王子剣道の奥深さに、ただただ脱帽!
 S先生4連覇おめでとうございます!合掌(笑)



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