第11回蒼鷹杯争奪剣道大会 H30.2.25


 今年も蒼鷹杯の季節がやってきました。この蒼鷹杯は、要成館保護者による企画・運営の道場内個人戦で、子供たちが初めて試合に参加したり、保護者の皆さんが、あらためて剣道のルールを学んだりするのに貴重な大会となっています。

 また、審判員も要成館の先生方にお願いして、審判法や実践からの位置取り等を学ぶ良い機会となっています。

 試合は4グループに分かれています。


基本技判定によるDグループは、切り返しと、面・籠手面・胴技の打ち込みを2回づつ行い、旗判定により勝者を決める試合です。普段基礎をしっかりと教わっているので、今年の試合は全体的にレベルが高い印象でした。
そうなれば審判の判定は当然大きな声を出して一生懸命打突する選手に味方します。

 N君のきれいな打突は目を引き、気合いも十分、内容が100点の素晴らしい試合でした。このまま成長すると、いったい彼はどんな選手になるのだろうと震えがくるほどの良い出来でした。

 剣道を始めたばかりのM・A君は、私の心配をよそに、のびのびと技を繰り出し、これまた良い打ち込みに、彼の持っている可能性がもしかしたら私の想像を超えるかもしれないと気付いた試合でした。試合後に笑っている顔が見られてよかったです。

 女子のTさんは、負けてしまいましたが、私の評価は結構高かった選手です。
打突の切れや姿勢はとても良いですが、声の小ささが旗判定に味方しなかったようです。
自分が持っている負けず嫌いな性格をもっと出してもらえたら、きっとこの先に勝利があると思います。

 S兄弟は不思議な剣道(笑)。姉は力ずよくもなく気迫にもあふれず特徴がないように見えます。
負けた内容もきっとこの辺と思いますが、私はちょっと違った見方でした。彼女の剣道に、まったく無理な動きがなく、まるで踊りを踊っているかのような優雅さを見ました。決して瞬発系の今風の剣道ではないのですがバランスが良く、立ち姿が美しい剣道に目を奪われました。
 弟君は逆に瞬発系!振りかぶった手が中心にないため打突がぶれるのが残念でした。素振りを意識して稽古しましょう。

 H・H君内容は悪くなかったですよ。お兄ちゃんみたいに堂々と剣道すれば、次はきっと勝ちますって!残念がっている場合ではないです。もっと稽古してください


 負けた選手も一生懸命でしっかりとした打突を見せてくれました。この次は試合形式でいよいよデビューです!


 小学校低学年主体のCブロック
は、これから期待の新戦力の集まり。技は知らないが大きな打突に相打ちを繰り出し、一歩も引かぬ意地の張り合いがなかなか見どころでした。

 そんな中、I君が持ち前の力強さを見せて大きな面を繰り出し、さらには引き面と技で一歩リードした剣風で次々に相手を圧倒し勝ち上がりました。これからは、手の内を利かせた打突を心がければ、ますます試合が面白くなっていくでしょう。そうすれば技も多彩になり、さらに勝利に楽しみを見つけていくことができるでしょう。

 女子のYさんは体も大きく、真っ直ぐな面が印象的でした。やや引っ込み思案で声は小さいものの、面の出鼻は目を見張ります。あとは打突後から残心までに気を払って一本をつかみ取る動きを覚えてほしいものです。

 F君は、昨年から見ると活躍しなかった内容です。左足が前に出てしまい、二拍子になるところを撃たれてしまいました。稽古でしっかり治しましょう。二拍子は治しにくい癖の一つです、手の内は良いので足の練習をしましょう

 K・R君は、体の大きな選手に勇敢に攻撃し、結果は残念だったもののこれからを期待したい選手です。基本がしっかりしていて、自分から攻撃する姿勢はとても好感を持てます。そのまま攻撃剣道を目指してください。

 Y・C
さんは上のクラスでも良かったと思っています。すべての技がバランスよく打ててしっかりと一拍子で打てます。しかし、打突に際して工夫がないので、相手にあたりません。基本打ちだけだったらぶっちぎりの優勝ですが。今しているのは試合です。打たせてくれない相手にどのようにしたら打ちを当てることができるのかを考えなければいけません。よく考えましょう!

 M兄さんはキャリアの無い中頑張っていました。初めての試合がうまくいくわけありません。課題は打突後に相手の前で止まること。打ったら残心まで抜けていくことができれば結果は違ったかもしれませんよ。


 今年はいっぱい試合に出て、悔しさも、喜びもいっぱい経験してもらいたいと思います。


小学校中学年Bブロック
は、今年要成館の主力を成す選手の戦いです。

 市民大会で活躍したK君に他の選手がどのように戦うか、見ものでした。

 K君は実力者のHさんとの対戦。このHさん本来は市民体育大会でも入賞する実力を備えている選手。決してやさしい試合ではない波乱の予感的中!
Hさんの一拍子の出鼻面が次々に襲い掛かり、K君の良さである出足を止めてしまって、自分の良さが出ない状況に単調な剣道となってしまいました。優勝を狙っていただけにがっかりと肩を落とすK君ですが、逆にこの敗戦を課題にして、次の試合に望んでもらいたいと思います。主導権が取れなくても粘って自分の剣道を出すように教訓としてください。

 一方のHさんはそれまでの返し胴で勝っていく印象から、完全にイメージチェンジし、中心を取っての出鼻面が次々に効果的に決まり、ワンランクアップの剣道内容でした。今年大いに期待したいと思います。

 K兄弟も打突に切れがあり気合い残心と、これからの要成館の看板をしょってもらいたい剣道内容でした。今年いっぱい試合に出て技に磨きをかけてほしいと思います。


 
T君はなんだかんだ言って自分らしい剣道を披露してくれました。決して気合満タンでもなく、バリバリの瞬発系でもなく、力強い剣道でもないのですが、今日の試合では自分から攻めて面を出し、相手が来れば得意の返し胴とリズムも良く安定した剣道だったと思います。

 この大会一番の選手は女子のSさん、気合十分の声が通り、剣道も良い出来です。しかし、助走をつけて打突するので、相手に悟られてしまいます。ここを工夫したらきっと結果がついてくるでしょう。気迫あふれる剣道に期待します。


 このクラスは今年要成館のAチームです。先輩に負けないくらい良い選手がいます。
今年も東京都代表となり、ぜひ夏の日本武道館に出場してください!


 小学校高学年Aブロック
は、実力者ぞろい、圧倒的なパワーを誇るH君にどのような剣道で挑むのか、迫力の試合が続きます。

 まずはH君、期待にたがわぬ剣道に相手を圧倒します。課題は技が単調だということ、そのパワーをもってすれば普通のレベルならば勝ちは容易ですが、全国レベルともなれば、自分より優れた才能に直面します。その時にその剣道で通用するでしょうか?間合い、攻め方、振りの強弱、崩し、溜め等、課題はいっぱいあようです。君だからこそ、レベルの高い課題に挑んで全国に名をあげてもらいたいと思います。

 そのH君を破った女子Nさん。才能の輝きが眩しくもあり、残念でもあります。
人が手に入れたいものを生まれながら持っている幸運を、努力という水を撒いて、勝利という美しい花を咲かす。しかし今の剣道は決してきれいな「勝利の花」ではないようです。一生懸命やっていないというわけではない、だけれども死に物狂いというわけでもない。剣道にかけて一生懸命稽古している選手にサラッと勝つ。勝負の非情さを目の当たりにし、彼女が今後どのように変わっていくのか見続けていきたいと思います。

 T君は剣道が良くなってきています。あとは手首を柔らかく、気剣体の一致した打突を心がけることが必要です。

 K君は基本の打突は完璧です。試合になると置きに行く癖があります。空振りしても良いですから、振り切った打突を心がけましょう。

  K・Nさんはやっぱり課題は自分からの攻撃でした。相手が動いたところを打突するのは悪くないですが、一方で待ち剣になり主導権が相手にわたり、苦しい剣道になります。自分が攻めを作り、相手がそれに合わすようになれば、剣道が楽になるでしょう。

 N・Aさんちょっと癖がある剣道が味になってきています。右手の位置に注意し体のステップも右に流れないようにして打ち切りましょう。面見せての籠手は良い技でした。


 N・R君右手が伸びる癖は治っていないものの、フットワークと間合い感、打突の機会はさすがです。自分の中で打突が流れないような工夫を稽古に取り入れてみてください。足から又は腰から指導する打突を工夫してみてください

 N・Mさんはなんと言っても出鼻面!手足長く伸びやかな出鼻面は魅力的です。まだ半歩足を継ぐ癖がありますが、今後大いに期待したい選手です。彼女が勝って試合が決まることが多くなるでしょう。

 N・Aさんは驚きの一言です。声もなく体も小さくキャリアもないといったナイナイづくしですが、彼女には「当て感」があります。特に籠手は圧巻でS君に出した出籠手は完璧な技でした。間合い、攻め、打突、どれをとっても最高の一撃でした。自信は経験の中から生まれます。喜びは分かち合うと二倍になります。どうか彼女が剣道の良さに気が付いて、良き仲間に恵まれたことに感謝し、稽古を継続してくれることを祈っています。

 S君はH君最大のライバルと言っても良いでしょう。唯一当たり負けをしない体感を持ち、出鼻面と出籠手を打ち分ける剣道に、ちょっと癖のある構えから出る技が良くもあり悪くもあり。見た目は、気が優しく剣道もほどほど好きで、典型的な中学剣道部にいる生徒といったところですが、その見た目に騙されるとやけどします。剣道は切っ先が走り出鼻面に切れがあり、常に考えて剣道している姿は、いづれ必ず結果がついてくるでしょう。心の声がダダ洩れなのがウケますが、彼の剣道がいずれ八王子の剣道界に知れる日も近いでしょう。石川中のH君、椚田中のS君永遠ライバルの誕生です。


 中学剣道界が君たちの活躍を待っている。燃えろ!

 素晴らしい環境に素晴らしい子供たち。そして子供の成長を見守る保護者の皆さんと、それを支える先生方。
要成館が今年も活躍することを確信した一日でした。

 さあ、間もなく4月、新学期の始まりです。新たな環境に最高のスタートを切りましょう。

 保護者会名誉会長Mさんいつもありがとうございます。感謝してもしきれないぐらいです。大会を仕切っていただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

 保護者会幹事の皆さん、段取りお疲れさまでした。おかげで最高の大会となりました。会場取り、設営に買い出しと目に見えない協力に感謝しております。

 保護者の皆さん、今年一年の子供たちの成長に期待しましょう。本日はありがとうございました!


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